「3つの心理的欲求」
人間は、生理的・生得的な心理的欲求があると言われています。
1つ目は自律性(autonomy)の欲求。
宿題をしようとしていたのに、親に「宿題しなさい!」と言われた途端やる気がなくなってしまうこと、ありますよね。人間は自分の行う行動を自ら「責任」をもって「選択」したいという欲求が潜在的にあるのです。
2つ目は有能性(competence)の欲求。
途方も無い目標に向けて人は、なかなか努力を行えないものです。「やればできる!」という期待感や達成感を獲得したい欲求によって人は行動を始められるのです。
そして3つ目は関係性(relatedness)の欲求。
人間は周囲の他者と協力的・協調的な関係を築きたいという欲求も持っています。人は一人で何かを打ち込むよりも、他者との関係とのなかで行われる行動を好む傾向にあります。
この3つの心理的欲求は、あらゆる場面でアプローチとして用いることができます。
例えば、教育の場面においては"アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)"という方略で活用されており、生徒が自ら学び、他者と関わりながら問題を解決していくというプロセスはまさに3つの心理的欲求を活かしているといえます。
また身近な例を挙げると、今では誰しもが使っているSNSも3つの心理的欲求を反映したものだといえます。TwitterやInstagramで自分の投稿を発信すること、そして、発信した内容を他者と共有したり、あるいは他者の発信に対してコミュニケーションを取りに行ったりすることはまさに、心理的欲求を習慣として落とし込んだ成功例だといえるのではないでしょうか?
人々を惹きつける魅力的なアイデアを生み出す際には、これら心理的欲求の条件を満たしているかどうかを判断基準にするのも良いのでは?